妄想がイキイキしてるって、『月世界小説』感想

私は牧野修の本が好きである。 純朴な高校生の際、牧野修の『楽園の知恵〜あるいはヒステリーの歴史〜』を読んだ私はその気持ち悪い妄想と狂気への振りきりになんらかの初体験を持っていかれ、内臓ゲロゲロも苦手な無垢だったはずの性癖にぐちぐち膿んで治らねえような傷をつけられた。そんな後ろめたい本だったおかげでコ…