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日曜日はなかった。

Sunday is dead. 日々の雑感。見たアニメや映画、読んだ本とかについて。

ごめんね。地球はもう終わりです。『少女終末旅行 4巻』感想。

マンガ
映画『魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!』鑑賞後続いていたキュアモフルンのいじらしさに身悶える生活が一転、少女終末旅行4巻読んで希望と絶望の相転移に翻弄されているワタシです。
 
少女終末旅行 4 (BUNCH COMICS)

少女終末旅行 4 (BUNCH COMICS)

 

 

はい4巻。
4。
死ですね。(不穏さ)
 
前回までのあらすじ
こちらは間の抜けた絶妙な絵柄で「絶望となかよく」がキャッチフレーズのびっくりダウナーな漫画。
 
あらまあ、最新刊の4巻には「これでも!? これでも絶望となかよくしろっていうのかい!?」と胸が詰まりましたね。
寝る前に読んだので、朝起きてから反動で「なんだこれ…なんだこれ…」言いながらため息はぁ〜はぁ〜ついてた。会社行ってもついてた。
 
なんだそれ。
なんだとはなんだ!

■上がったら下げるものです。例えば希望とか

案の定、吐きたいものを吐きたいのでネタバレも辞さないんですけど、

 

今回彼女たちが旅をしていた階層で出会った弾薬や燃料を食す謎生物「ヌコ」を新しい仲間に加え、旅も賑やかになりましたね。
 
まあ、どう見てもこの生き物は前の階層で石像建てられて神と崇められてた連中だよな、というのは置いといて。失うものばかりだから…という理由でヌコを旅に連れていくのにはグッときました。
 
さて、このヌコの機械へ干渉する能力のおかげで、1巻で出会った人間「カナザワ」から譲られたカメラに膨大な画像データが残っていたことを知る一同。
 
様々な人間の手を長い間かけて渡って来たのか、カメラには大勢の人間の姿が映っていて、かつての賑やかな世界の残滓を見つけます。
 
そうですね。燃料といい、食料といい、彼女たちのタイムリミットは静かですが確実に目減りしています。
 
資源を探すため、一箇所にとどまってはいられない2人。
 
常に何か捨てていかないとならない2人が、この巻ではかつての地球の匂いが残る膨大な記憶や旅の思い出といった宝物を見つけました。
新しい仲間も得られて良かったなあ。
ほっこり。
 
写真の中で、出会った頃には1人だったカナザワにもかつて連れが居たという、明らかな死の匂いも感じつつ、そうした出会いも読者は一緒に体験して来たわけですから、カメラというその証拠がカタチで残るのは愛おしいわけであります。
 
何もない世界で、そこにあった、という証拠がどれだけ魅力的なものでしょうか?
 
そう見てるこっちが暖かくなってたところで、突如現れたヌコの仲間たちにカメラが食われて消失します。
 
おい。
 
しかもヌコの仲間は告げます。
 
我々は人類の熱的な遺産を安定した状態に戻し、地球を静的な状態へ終わらせようとしています。
最上層を除いて我々の知る限り、地球上に存在する人類は残りあなたたちだけです。
 
ですって。
 
おい?
 
残酷極まりないな!
 
この構成は残酷極まりないよ!ねえ!
 
崖から突き落とされたような気分になったよ!
 
地球上、最後の人類って、3巻までに出会ってた人間2人はどうしたんだ?
 
…読者は2パターン考えられますね?
 
1。ヌコの仲間たちはまだその2人を観測していない。
 
2。死んだ。現実は非情である。
 
人は死ぬよな…ってことを散々示唆しといたおかげで、
2だよなあ!この構成上2の可能性高くなっちゃうよなあ!
 
彼らは人類の動く遺産を機能停止にしていく存在なので、3巻で出会った魚を守る機械もターゲットだろうね…。2人もあんなに頑張って守ったのにね。
 
ほんと。
 
 
たまげたわぁー、これ。
 
3巻まで積み上げて来た希望のようなものを全部目の前でバッキバキへし折ってく構成たまげたわぁー。
断捨離かよー。
断捨離かよもォー。
 
しかも最上層に最後の希望を残してあるのが絶妙にいやらしい。
 
なんだよこれは。似たようなメガストラクチャーでも珪素生物がイキイキやってて、ネット端末遺伝子あれば人類もワンチャンあるで!って『BLAM!』のほうがどれだけ希望に満ち溢れてる作品なんだよ…。
 
これであのぬーぼーとした女の子2人が、黙って手をつなぎあう、この孤独と深い諦念には悟り世代も真っ青。
 
「ヌコ」を手放す際の、「お前には仲間がいていいな」って台詞の、
 
旅の仲間であっても、仲間では無かったんだ…っていう
種族を超えた仲間意識!とかそんなのおべんちゃらにしちゃう、人類種族最後の存在のやりきれなさ。ロンサム・ジョージ、お前もそうだったのか?(地球最後の亀)
 
 
ヌコの仲間たちはたぶん、進化した機械なんだろうけど、この人類の後始末をしている彼らが歌を歌っているのが、私の大好きな星新一の短編に、「ひとつの装置」ていうのがあるんですけど、その話に出てくる機械のよう。これはたまらない無常観。まあ、救われてないけど救われている話なんですが。おすすめです。
 
べつに事実問題彼女らの生活は今までと変わらないだろうけど、ただ儚い希望を折られた後の絶望はさらに深いのだろうか。それでも「絶望と仲良くして」いられるのなら、この漫画はいったいどんなサバイバルテキストなんだと思います。
 
僕はため息が止まりませんので、無人島に孤独に漂着しちゃった時に持っていく一冊に推薦しますね。せいぜい絶望と仲良くするために。
 

 

ひとつの装置 ショートショート傑作選(2) (講談社青い鳥文庫)

ひとつの装置 ショートショート傑作選(2) (講談社青い鳥文庫)